校長室だより9・・・バトンタッチ(南中ソーランの引き継ぎ)

 11月10日(土)は学芸会です。今,学芸会の練習が真っ盛りです。セリフを覚える練習をしてきたのでしょう,台本を片手に登校する子供の姿があります。授業時間中の様子を見て回ると,学年全体がいくつかのグループに分かれ,担当の先生のもとで楽器,踊り,セリフ等の練習に取り組んでいます。さて,3年生は『表現「日本全国踊り三昧」』ということで日本の民舞に挑戦です。その民舞のひとつに「南中ソーラン」があります。「南中ソーラン」は,5月の運動会の折に4年生が表現として演じたものです。

 先週のある朝,4年生の男子児童から「校長先生,今日,南中ソーランを3年生に教えるから見に来てね!」と声をかけられました。体育館に行ってみますと,3年生と4年生が1列ずつ交互に並んでいます。私が見に行ったときには,ちょうど,4年生が踊りを見せる場面でした。「構え!」先生の一声のもと,ばっと足を開き力強く体育館の床を踏みしめる足音とともに,身を低くして腕を前に出す姿勢になる4年生。5月の運動会よりぐ†んとたくましく成長した4年生の姿に頼もしさを感じました。音楽が流れ出すと,4年生の子供たちの「はっ!」「はい!はい!」という勇ましいかけ声とともに踊りが繰り広げられていきます。子供たちの後ろから踊りを見ていたのですが,4年生の背中が「わたしたちの踊りを見てしっかり覚えてね!」と語っていました。4年生の踊りを見つめる3年生のまなざしも真剣です。目の前の4年生が踊る「南中ソーラン」のひとつひとつの振りを見逃すまいとする真剣なまなざしに「任せてください。しっかり覚えます!」という声が聞こえてくるようです。

 昨日の業間休みに,今度は3年生の女子児童が「今日の4時間目にこの間の続きをやるんだよ。」と教えてくれました。体育館には,先週と同じように並んだ3年生と4年生の姿があり,1対1で教え合う場面を見ることができました。自分が踊って見せて踊りのポイントを教えている子供,3年生の踊りにアドバイスしている子供・・・見ていて,これこそ教育と思いました。子供同士が互いに教え合い学び合って真の学びとなります。大人がいろいろ話したり説明したりするよりも,子供同士の伝え合いの方が子供にはよく分かり力になるということを,私自身,学級担任をしているときに多々感じたものです。学年をこえて,互いに学び合うことの機会が減ってきている昨今です。「南中ソーラン」を引き継ぐ機会を得ることのできた3年生と4年生にとって,今年の学芸会はさらに実り多きものとなっていくことでしょう。(10月25日発行)

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3年生に一生懸命教える4年生の姿,そして,4年生の教えに頑張る3年生の姿です。

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引き継ぎ2回目とは思えないほどの姿です。3年生と4年生が一緒になって南中ソーランを踊っています。

校長室から
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