校長室だよりNO5
多くの目で見守り,支えて・・・
仙台市立小中学校の夏休みは,7月21日から始まっておりますが,昨年度から,長期休業中(夏・冬)の授業日の設定を学校単位で実施できるようになったことから,栗生小学校では,昨日の児童会まつり「栗のみまつり」と本日と2日間の授業日を設定いたしましたので,明日からが本格的な夏休み開始という感じになります。
本日は,臨時朝会にて,すてきな夏休みにするために,『自分そして友達の命を大事にするために,学校の約束や家での約束を守ること』特に,交通事故防止と水難事故防止を強調いたしました。また,臨時朝会後には,PTA主催の安全教室(寸劇「いかのおすし」等)も実施いたしました。また,『 一日にひとつ,家族のため友達のため(自分以外の人)に,いいことをすること』 という内容の話をいたしました。
4月からの様々な行事のみならず,日々の学校生活の中で,子供たちは,学校という多くの仲間が集う場で,多くの学びをとおし,心・頭・体をきたえてきました。多くの仲間が集うということは,多くの出会いがあり,多くの刺激があり,そして,多くの衝突もあるということです。すべての出会いや刺激が誰にとっても心地よいものではないですし,心地よいものばかりであっては人は成長しません。ハードルや壁があってどうしようもなくなった状態に,悩み,惑い,苦しみ,・・・そして,強くなっていきます。困難なことを避けてしまう,自分にとって心地よくないものは排除してしまうという考えでは,一人で思考し判断することができなくなってしまいます。
でも,悩んでいるときには誰かに訴えたい,迷っているときには誰かに進む方向を示して欲しい,苦しんでいるときには誰かに苦しみをぶつけたい・・・大事なことは,それを受け止める者がいるかということです。一人ではなく,複数の者が受け止めることが必要です。人には様々な考えがあります。どれが正しいのか良くないのか,どの考えを選べばよいのかということではなく,また,誰かの意見や考えに頼ってしまうのではなく,多くの考えにふれて,自分なりの歩む道を定めることが大切だと思うのです。つまり,多くの者の目と心によって,見つめ見守り鍛えられることが必要であり,そのために,学校という場に通っているということになるのです。
子供が悩み,惑い,苦しんでいるときには,立ち止まりも後戻りも休憩も必要になるときがあります。そのサインを子供は,周囲に送っているのですが,このサインは皆同じという訳ではなく,サインをキャッチするのは大変難しいものです。子供(我が子のみならず)からのサインをキャッチするために,「ウ?ン?」「アレッ?」という気づきを逃さず,互いに情報を交換しあい(ネットワークですね),多くの視点や考えから見つめ,栗生小学校すべての子供が健全に育成していくことが大切なのです。
明日から子供たちは学校を離れ,一日の生活を家庭,地域で過ごすことになります。このときこそ,真のネットワークが必要となりますね。家庭と学校,地域と学校の一対一の繋がりではなく,家庭と家庭と学校,地域と家庭と学校の複数が繋がるネットワークで,子供を見守り支え,有意義な夏休みにと願っています。(平成19年7月24日発行)