感染症への対応に思う

 間もなく夏休みが終わり,子供たちとの再会が目の前というところで,まん延防止等重点措置が適用されることとなりました。学校内での感染拡大が起こらないように気を引き締め,御家庭にも協力をいただきながら防止に努めていきます。

 それにしても,行動に様々な制限がかかったり,やりたいことを思いとどまったりしなければならないことが多く,この間の心的なストレスの蓄積は,大人はもちろん,子供たちにとっても大きな影響を及ぼしているのではないかと心配しています。特に,先が見通せないことへのいらだちもあってか,大人社会においては「寛容度」が下がっているような気がしてなりません。この感染症は,人と人が,どれだけ温かくつながり合うことができるのかを試しているかのような気さえするのです。

 そういう意味では,夏休みの始めに行った個人面談は,短時間ではあっても対面で話をすることができ,連絡帳や電話でのやりとりとは違った,「思い」や「つながり」を感じ合う機会となったのではないでしょうか。担任の先生方からは,「個人面談ができて良かった」という声を聞いています。「温かいコミュニケーション」には,人と人が対面して直に話し合い,心を通わせると言うことが欠かせないのだなという思いを強くしました。

 子供たちの健やかな成長を願う気持ちは,保護者の皆様も我々教職員も一緒だと思っています。学校で先生に言われることも,家で親から言われることも一致しているということが,学校と家庭の「連携」です。懇談の機会を頻繁に設けることは難しいですが,連絡帳や電話では学校の考えや対応の仕方がうまく伝わらない場合など,ぜひ,直接お話をさせていただいて考えを一致させ,子供たちの成長を促していきたいと考えています。

 さて,話は変わりますが,何気なく朝ドラを見ていたら,ヒロインの父親が自身の思いを語るシーンがあり,とても印象深く心に残りました。その父親は,この先どうなるのかが分からない先行き不透明な世の中だけど,子供たちに対しては,「おまえたちの未来は明るいんだって。決して悪くなる一方じゃないって,オレは信じて,言い続けてやりたい。」と語るのです。そのセリフが語られる文脈を抜きに,一部だけを抜き出してしまうと伝わらない部分もあるかと思いますが,私の心には,「未来は明るい。決して悪くなる一方じゃない。」という言葉が深く突き刺さりました。
 
 夏休み明けの授業再開は,感染拡大の防止という観点からは慎重を要します。また,感染者数が増えたというようなニュースばかりを聞かされて気持ちは沈みがちになりますが,とにかく,物事を未来志向で前向きに考えていきたいと思います。「学校に来られて,友達や先生に会えてうれしかった,楽しかった,明日また行きたいな。」そんなふうに感じることができる学校運営を進めていきたいと思いますので,引き続きご協力をお願いいたします。

(文責:校長)
校長ブログ | - | -