「ルール」について考える

 4月・5月は,新しく学級をつくる時期です。この時期に見られるのが,自分に都合の良い「マイルール」を主張する子供たちの様子です。もちろん,自分が思うように楽しく自由に生活したいというのは,誰もが願うことなので,自然なことだと思っています。でも,それぞれが,自分が大切にしたい自由だけを主張し始めたら,集団での生活は成り立たちません。ここが,子供たちの勉強のしどころだと思っています。このような様子が見られるとき,私は,子供たちに次のようなことを話します。

 だれもが,楽しく,自由に過ごしたいと思うものです。大事なのは,「楽しい」と思うことや,大切にしたい「自由」は,人によって異なるということです。大切にしたい「自由」が,人によって違っているから,学校生活の中では,皆にとって,どこまでが自由なのか,どこからがダメなのかをルール化しているのです。ルールを設けるのは,皆が安心して楽しく過ごせるようにするためなのです。
 また,「楽しい」と思う気持ちが人によって違うということは,「いや」と思う気持ちも人によって違うということです。同じ事をされても,言われても,人によって受け止め方は違うものです。「自分は楽しい」とか「自分は気にしない」といった自分の主張だけを通そうとしたら,皆が安心して楽しく過ごすことはできません。
 人は,一人一人が皆,かけがえのない大切な存在です。誰もが尊重されなければなりません。だから,自分自身のことは,もちろん大切にしてほしいと思っています。そして,それと同じように,周りの友達のことも大切にしてほしいのです。自分が自由でいたければ,自分とは異なる相手の自由も尊重しなければなりません。ルールは,皆を縛るためにあるのではなく,皆が安心して楽しく過ごせるようになるためにあるのです。
 人は皆,そもそも違っているわけだから,折り合いを付けるのは,大人でも結構難しいものです。誰にでもしっくりくるルールを作ることも難しいと思うし,一度決めたルールをずっと適応していくのがいいとも限りません。自分を中心に考えた主張を繰り返すのではなく,皆が安心できるようにするにはどうしたらよいのか,時間をかけ,「対話」を繰り返し,積み重ねながら,よりよい方法を探っていくことが大切だと思っています。そして,その過程こそが,子供たちにとって,大切な学びの機会になるものと思っています。

 錦ケ丘小3年目の今年,ずっと願っている「温かいコミュニケーション」を,学校全体に浸透させたいと思っています。コロナ禍で,世の中全体に不安や心的ストレスが高まっているような状況が続いていますが,そんな時だからこそ,皆様の御理解と御協力の下に,一人一人が安心して楽しく過ごせる学校づくりを進めていくことができればと思っています。

(文責:校長)
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「温かい心」で支え合い,課題を乗り越えていきたい

 新型コロナウィルス感染症が終息に向かうことなく,緊急事態宣言下で始業式,入学式を迎えることになりました。新型コロナウィルス感染症が突きつけてくる様々な課題に対し,我々は,どのように向き合っていけばよいのか,その答えが見つからない状況が続いています。そのような毎日に不安を感じることも多いのですが,だからこそ,大切なのは,「温かい心」で支え合っていくことではないかと思っています。

 また,変化の激しさや先行きの不透明さ,予測の困難さを「苦しい」とだけとらえるのではなく,前例にとらわれず,「未来志向で新しい挑戦ができる機会」ととらえることも大切だと思っています。皆が「温かい心」でつながっていれば,そうした,一人一人の挑戦の支えとなり,課題を乗り越えていくことができるものと信じています。

 本校の子供たちが,学校教育目標の重点である「温かいコミュニケーションができる力」を身に付け,未来志向で挑戦を繰り返し,力を付けていくことができるように,錦ケ丘小の教育を進めていきます。

 校長として3年目を迎えることになりました。大好きな錦ケ丘の子供たちのために力を尽くしていきたいと思いますので,御理解と御協力の程よろしくお願いいたします。

[令和3年度 学校教育目標の重点]

 学校教育目標は,開校以来変わらず「たくましく しなやかに 生きる子供」です。目指す子供の姿を表すキーワードとして,「深い思考」「温かい心」「健やかな体」の3つを掲げています。     
 重点的に育てたい力は,「温かいコミュニケーションができる力」に焦点化し,その素地となるものとして,「☆1 異質なものとの出会いを楽しむ」「☆2 見方の多様さに気付く」「☆3 自分の問題として考える」の3つのことを大切にします。

[3者協働で取り組む協働型学校評価の重点目標]
                  
 昨年度からの継続で,「学校,家庭において,たっぷりと時間を確保し,読書に親しむ」と設定します。特に,読書を介して「温かいコミュニケーション」が促進されるような取組を進めていきたいと考えています。

(文責:校長)
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