おもいでをつなぐ ~学校の歴史と震災の経験を未来へ~

仙台市立荒浜小学校
櫻場直志

平成28年3月31日、仙台市立荒浜小学校は、142年の歴史に幕を下ろしました。明治6年の開校以来、自然豊かな環境の中で、荒浜地域の皆様の学校を思う温かい気持ちに支えられてきました。東日本大震災では、高さ約10Mにも及ぶ津波が荒浜地区を襲い、多くの尊い命を奪い去りました。海岸から700Mに位置した荒浜校舎は、2階膝下まで浸水しましたが、当日校舎内に避難した児童71名、住民233名、教職員16名の命を最後まで守り通しました。震災時91名いた在籍児童は、その後仙台市内外に転出。閉校時には、16名まで減少しました。

震災以降5年間、子どもたちは東宮城野小学校の校舎を借りて、学習を続けました。年を経るごとに明るさと元気を取り戻し、荒浜の復興を一人一人が思い描けるまでに成長し、学び舎を巣立ちました。この子どもたちの未来に幸多かれと祈っています。

長きにわたり学校を支えてくださった皆様、そして震災以降ご支援くださった方々に、心から感謝を申し上げご挨拶といたします。ありがとうございました。

第42代校長第42代校長 櫻場直志