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校長講話再録
平成22年度
平成21年度


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校長講話再録(平成21年度)

平成21年度 卒業式式辞

 ここ国見の高台から遠く望まれる太平洋の海の色も、冬の澄み切った青さから、幾分水蒸気を含んだ柔らかな水色に変わり、春の訪れの間近なことを予感させる本日、多くのご来賓のご臨席のもと、仙台市立仙台高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとって大きな喜びであり、心より御礼申し上げます。
 卒業生の保護者の皆さん、本日は誠におめでとうございます。お子様方は、高校三年間の業を終え、ただ今、確かに卒業証書を手にされました。この三年間の高校生活を支えて来られた皆様のご苦労を思いますと、感慨もいかばかりかと推察いたします。改めて敬意を表しますと共に、本校に賜りましたご支援とご協力に、心より感謝申し上げます。
 卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
 皆さんは、この三年間、「自主自立」の教育理念のもと、学業や部活動、そして学校行事にと存分にその力を発揮してくれました。授業や練習の時の真剣な眼差し、球技大会や文化祭での、弾けきった、あの心の底からの笑顔、そして、儀式が始まるときの、動から静への素早い切り替え等は、見事としか言いようのない、本当に素晴らしいものでした。
 外での試合やコンクールでも、精いっぱいの力を振り絞って最後までやり遂げる粘りと、礼儀正しく高校生らしさを常に忘れない仙高生の清々しい姿は、常に関係者や観客の感動を誘うものでありました。
 みんなに対して、心から有り難うと言って送り出すことができることを誇りに感じ、嬉しく思います。
 さて、卒業式にあたり、皆さんに一つお話をします。
 以前、全校集会の時に、日本縦断を目指して歩いている話をしたことがあります。宮城県から北の海岸線は、日本最北端の宗谷岬まで、太平洋側も日本海側もすべて歩き通し、今は新潟を南下中であること、九州最南端の佐多岬まであと1700qであり、50日ちょっとで達成できそうな話をしました。私の抱いている様々な夢の中でも最も大きな夢です。
 ところが、昨年の12月、思いも寄らないことがその夢を砕いてしまいました。膝の故障です。歩くのにも辛い位膝が痛み、やむなく病院へ行ったところ、結果は膝の関節の変形とのこと。これからは、走ったり、長く歩いたり、山に登ったりの膝に負担をかけることはいけないというドクターの話でした。
 目の前が真っ暗になりました。日本一周、マラソン、登山・・・、私の生きる意味や抱いていた夢の大部分が失われてしまう。落ち込みました。いったい、これから何を拠り所に生きていけばいいのか、大袈裟なようですが、悩みました。
 とにかく待つしかない。そう思えるようになったのは2ヶ月ほど過ぎてからです。地道な筋力トレーニングで膝周囲を鍛え、痛みが過ぎるのを待とうという気持ちに漸くなれました。
 気持ちを支えてくれたのは、過去の経験です。3000qも歩いていれば、様々なことがありました。嵐の中で進退が窮まり必死の思いで脱出したり、一日で100q歩いたときなどは、後半、自分が歩いているのか、誰が歩いているのか、意識が朦朧となることさえありました。
 でも、必ず道はあった。俺は切り抜けて来た。その思いが、今回もきっと何か道はあるに違いないという確信を私に抱かせます。後は信じて準備をするのみです。
 今は、佐多岬に到着したときに広がっているであろう青い大海原を心の中に思い描くことができます。
 今日、仙台高校を巣立っていくみんな。みんなの、この三年間の高校生活だって、決して平坦では無かった筈です。成し遂げた時の喜び、思い通り行かなかった挫折感、厳しい練習の辛さや乗り越えたときの感動、様々な想い出が胸の中を去来していることと思います。
 それらの一つ一つが、今のみんなを作り、三年前とは比べものにならない大きな人間に成長していることを確信してください。そして、この仙台高校での経験が、苦しい時にも勇気を与え、みんなをきっと支えてくれる、そのことを私は信じています。
 さあ、胸を張り、顔を上げて、この仙台高校を巣立って行ってください。仙高生が見つめるのは、そう、三歩前です。
 仙高生、三歩前へ。
 最後に、多くの感動と勇気を与えてくれた皆さんとの出会いに感謝し、皆さんの無限の可能性が大きく花開くことを信じて式辞といたします。


  平成22年3月1日

       仙台市立仙台高等学校 校長 山村悦夫


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平成21年度 入学式式辞

 281名の新入生の皆さん、入学おめでとう。仙台高校は、皆さんの入学を心から歓迎します。早く仙台高校の一員となって、共に学校づくりに加わってくれることを期待します。
 また、保護者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。皆様が大事に育んで来られた新入生の皆さんを、今、確かにお引き受けしました。これからは、共に手を携えて生徒の皆さんの成長を見守って参りたいと存じます。
 さて、新入生の皆さん、今、どんな夢を描いてこれからの高校生活を送ろうと考えていますか?
 それについて、私から皆さんへの強い希望があります。それは、勇気を持って高校生活にチャレンジして欲しいという願いです。
 高等学校の三年間で、人間は大きく変わります。夢に向かって自分を大きく成長させることに挑戦してください。決して妥協した状況に合わせた夢を描くのではなく、志、視線を高くもって、描いた目標をあくまでも追求して下さい。
 自分は何をやりたいのか、仙台高校には何をするために入学したのか、その最初の目標をとことん追求してほしいのです。
 そのためには、一人ひとりが勇気を持って当たらなければなりません。
 未だ知らない世界に一歩を踏み出す勇気、状況が読めない不安に打ち勝つ勇気、突き当たってしまった壁を乗りこえるべく、ぶつかって行く勇気、逆境をじっと耐え忍ぶ勇気、様々な場面で皆さんの生きる姿勢が試されるはずです。
 人間は、夢見たことを、時間をかけて達成してきました。
 ギリシャ神話に出てくるイカロスは、蝋で作った翼を羽ばたかせ、より高く飛ぼうとして太陽に近づき過ぎ、翼が融けて落ちてしまいました。しかし、より高く空を飛びたいという人間の夢は、やがて成し遂げられます。
 遠く離れた月を見て、あそこに届きたいという夢を持つ人間が居たからこそ、幾多の困難を経て、人間は月に降り立ちました。未知の世界へ飛び込む勇気を持ってです。
 遠い将来、未知の宇宙へ飛び出す手段を手に入れたとき、恐らく、チャレンジする人間が出てくるはずです。帰って来られるかどうかわからない状況でも、未知の世界に憧れ、勇気を持って飛び出す事でしょう。それが人間だと、私は信じます。
 この仙台高校での三年間で、確かな自分の夢を描き、目標を追い求めてください。勇気を持って追い求めてください。
 皆さんにそのことを期待し、そうあってくれることを信じます。さあ、我々と一緒に歩き始めようではありませんか。
 仙台高校は、昭和十五年の創立以来、間もなく七十年になろうとする伝統ある学校です。二万を超える卒業生が、皆さんがチャレンジする姿を、期待を込めて見守ってくれています。大きな心の支えとして、心新たな高校生活を始めて下さい。
 最後になりましたが、ご多用中にも拘わらずご臨席を賜りましたご来賓の皆様に、心より御礼申し上げ、式辞といたします。

  平成21年4月8日

       仙台市立仙台高等学校 校長 山村悦夫


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