言葉の力 お話朝会(校長先生のお話)より

 5年生は先週,教育実習生の高橋先生とお別れをしたと思います。そのとき,5年生は高橋先生にどのような言葉でお別れの気持ちを伝えましたか。そのときの言葉には,おのずと「感謝」の気持ちや「さびしい」と思う心が込められていたのではないでしょうか。このように,皆さんが毎日何気なく使っている言葉は,そのときの「こころ」が出ます。だから,言葉の端端には「こころ」が見えるのです。たとえば皆さんが名前を呼ばれたときの「はい」という返事一つにも,そのときの声の抑揚や大きさによって「こころ」が相手の人に伝わるものです。皆さんは,キャッチボールやドッジボールをしたことはありますね。キャッチボールは相手の受け取りやすいところに投げます。逆にドッジボールは,相手に投げて当てるとアウトになります。ボールを言葉に直すと,キャッチボールになれば相手の人にとっては受け取りやすい,思いやりを含んだ言葉となって伝わり,相手の人との仲はさらに良くなります。しかし,ドッジボールになってしまうと,相手に言葉のボールをぶつけて,やっつけてしまおうという心が働き,結果的に傷つけることになります。皆さんの言葉を相手の友達がキャッチボールと受け止めて信頼感を高めるか,ドッジボールと感じて心を閉ざしてしまうか,言葉や表情より受け止め方が違ってきます。 言葉は便利ですが,気付かないうちに相手の心を突き刺す「とげ」になっていないか考えることが必要です。特に,思うようにことが進まずむしゃくしゃしているときやいらいらしている時など,つい友達やお家の人を傷つける言葉を発してしまうことがあるので,注意しなければいけません。まして,友達を意図的に傷つける言葉は「いじめ」になります。言葉は生きています。言葉は時には人を救い,また人を傷つけ,時には人を喜ばせ,また人を悲しませる不思議な魔力をもっています。皆さん,言葉を大切に使ってください。(「お話朝会」より)
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