いじめについて(2学期始業式にて)

いじめについてのお話です。
宮城野中学校のいじめの件数はどのくらいあるのでしょう。いじめを受けたと相談やアンケート等で把握されたいじめの認知件数は、令和元年度が49件、令和2年(去年)が44件、今年が9月末で27件となっています。
 最も多いのが「冷やかし、からかい」などで、一見「軽微」とされるものが、全体の約8割を占めています。でも一見「軽微」だから、たいしたことないとは言えないのです。

人の心には、不安や悩みを受け止める器があって、その器の大きさは、それぞれに違います。からかいや悪口がある度に、小さな不安や悩みは、コップに水がたまるように次第に増えていき、ささいな「からかい」が最後の一滴となって、コップから水があふれ出することもあります。
こうした行為が、長期間続いたり、複数の友だちからだったりすれば、ダメージはさらに大きなものとなるでしょう。行為の軽い重いで判断してはいけないものです。

 また、最近の調査によれば、いじめられた人の約9割は「いじめたことがある」とも答えているそうです。いじめは「いじめる側」と「いじめられる側」が入れ替わるものと言われています。そこで、いじめる側からいじめを行った心情を考えてみましょう。三種類あります。
・一つ目は「相手が嫌だとわかってしたもの。」
(あきらかに故意)
・二つ目は「相手が嫌だと分からなかったもの。でも、少し考えれば分かったもの」
(過失があるもの)
・三つ目は「相手が嫌だと分からなかったもの。そして、考えても気がつかないもの」
(無自覚ないじめ)

特に小学校では、この「無自覚ないじめ」が多く見られます。例えばこんなことはありませんでしたか?
→「今日帰ったら一緒に遊ぼう」と友人を誘いました。友人は「今日は○○さんと遊ぶから無理」と言いました。
僕は(嫌われた?)と感じました。その場がシーンとなり、しばらく重い空気が流れました。でも実は、友人は(以前から別の友だちと約束をしていただけ、嫌っているわけではない・・・)と考えていました。

 受け止めによっては、こうした無自覚なことでも、コップの水はあふれてしまうかもしれません。みなさんは「いじめは悪いこと。決してしてはならないこと」であることを繰り返し教えられ、よく承知しています。しかし、このような「無自覚ないじめ」はどうしたら良いのでしょうか。

 まず、嫌なことがあったら、自分の気持ちを素直に伝えることが大切です。
「はっきり」、「優しく」、「人を介して」などの方法があります。
 でも「嫌だなあ」と感じた場合でも、なかなか相手に面と向かって「やめて」と言えないこともありますよね。
だから、普段から、嫌な気持ちになっても、人ははっきり言えないことが多いのだということを理解しておくことがまず必要です。その上で、「もしかしたら・・・思っているのでは」と、相手がどんな思いをしているのか、思いを寄せていくことが大事です。(他者理解)。

 先ほどの「一緒に遊ぼう」のお話しは、小学校4年生の実際のお話です。結末は、担任の先生が「○○さんはこう思っていたんだよ」と、双方に心情を解説してあげたところ、「ええ、そうだったの」とほんの少しの時間で、重い不安が解決したというものです。

自分で心情を伝えられない場合は、どんな些細なことでも「今、こんなことで悩んでいる」と大人に相談することも大切です。宮城野中学校の先生は、「その程度のことで・・・」などとは決して思いませんから、是非話をしてくださいね。

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