かなり出遅れました

 1月10日(火)の1校時,冬休み明けの全校集会をオンラインで行いました。いつもどおり,校長室隣の応接室を配信センターにしてまずは文集「こだま」の入選者たちに賞状を伝達し,それから3学年代表が「新年の抱負」を発表しました。いつもどおりでなかったのは校長です。
 実は冬休み最終盤に濃厚接触者と判明し,自宅待機をしていました。今の日本は新型コロナウイルス感染第8波の真っ只中なので,感染防止に努めていたとしても無傷ではいられないと実感した次第です。
 自分自身には何の症状もなくピンピンしていたので,自宅からオンラインで「校長先生の話」をしました。下の写真は全校集会開始直前にオンラインでつないだ各教室です。自宅PCの小さな画面からでも教室にいる鶴中生たちの元気な様子を見ることができ安心しました。
 さて,「校長の話」の内容ですが,テレビの正月特番「博士ちゃん新春SP」を見ていて思ったことを話しました。古代エジプトが好きで好きでたくさん勉強し,並外れて詳しくなったおかげでエジプトに招待された小学6年生の女の子の話です。念願叶って本物のピラミッドやスフィンクスを目の当たりにし,涙を流して感動する姿がそこにはありました。以下,校長原稿からです。
 『皆さんは「これはすごい」とか「なんて素晴らしいんだ」と感動したことはありますか。人は「本物」に出会うと感動する生き物です。そしてその感動はいわゆる思春期から大人になっていくときに最も大きくなります。
 本物というのは,偽物や作り物ではなく,正にそこにある物,現実,真実を指します。そこから転じて技術や能力が非常に優れている人のことも指します。
 本物はいたるところにあり,あるいはいて,皆さんに発見してもらうのを待っています。非常に優れた芸術作品であったり,プロのスポーツ選手の技術であったり,あるいは公園に咲いている花であったり,どこかの街の景色であったりします。
 本物には有無を言わせない説得力があります。
 私が高校生だったとき,芸術鑑賞のプログラムで学校に三遊亭円楽が来ました。この間の9月に亡くなった円楽師匠の一代前,5代目三遊亭円楽です。私は落語には全く興味がなく,聞く気ほぼゼロの状態で母校の体育館で円楽師匠の落語を聞きました。始めは寝て過ごそうかと思ったくらいです。ところが,鶴中の体育館よりはるかに古くてボロボロの体育館のステージに座布団を敷いて座り,扇子を持って話し始めた円楽師匠にものの数秒で引き込まれました。古い体育館があっという間に寄席に変わり,聞く気ゼロの高校生たちが何度も腹を抱えて大笑いしました。本物だけが持つ強烈なオーラに出会った瞬間でした。
 英語で言えば,“Seeing is believing.”です。「何かを信じるには自分の目で見るのが一番だ」という意味です。A picture is worth a thousand words.(1枚の写真が千の言葉と同じ価値を持つ)とも言います。
 皆さんは今,人生で感動が最も大きい時期を過ごしています。だから,本物に出会う機会をたくさん作り,そして出会ったときに心の底から感動してほしいのです。家の中でゴロゴロしていたり,授業でぼーっとしたりしていては本物には出会えません。好きなことに出会って毎日頑張っていれば,やがてあなたが本物になるかもしれません。
 2023年 The Year of Rabbit を迎えた鶴中の皆さん,うさぎ年なだけに,スピードに乗ってジャンプアップできる年にしてください。』
 皆さん冬休み中はいかがお過ごしでしたか?校長はリモートワークからスタートでちょっと出遅れてしまいましたが,今年も一生懸命働きますのでどうぞよろしくお願いします。
オンライン全校集会
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