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仙台藩天文学器機

実際に観測に使用された,江戸時代の天文器具

せんだいはんてんもんがくきき

仙台藩天文学器機

Sendaihan Tenmongaku Kiki

In English
指定区分
Classification
国指定 - 重要文化財 / 歴史資料
年代
Age
江戸時代

Quantity
4基
指定年月日
Designated Date
平成24年(2012) 09月06日

所在地
Location

宮城県仙台市青葉区錦ヶ丘9丁目29-32
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解説
Description

仙台藩天文学器機は,渾天儀1基,象限儀1基,天球儀2基からなる。
渾天儀は,星の位置を測定するものである。青銅で作られた3つの固定輪は,地平線,天の赤道,子午線を表わし,中央の棒の付いた可動輪を使って星の位置を測定する。角度目盛は全周を365.25等分した東洋独特な太陽の一日の移動角となっている。地平輪の裏面には安永5年(1776)の銘があり,日本に現存する唯一のものとされる。
象限儀は,星の高度観測に用いたものである。回転する垂直軸に一辺80cmの90度の扇形の台木をつけ,その円周部に真鍮(しんちゅう)製目盛板を固定し,四角筒の星を観測する望遠鏡がついており,星の高度を測ることができる。これで星を視準し,目盛板についている副尺により,角度30秒(1度の120分の1)まで読み取ることができる。現存する象限儀のうちで副尺までのこっている唯一の例である。
天球儀は,天を模型にしたものである。大小2個あって,大きい方は,木製台に直径70cmの漆で固めた張子(はりこ)の球体が回転するように作られ,球には全周を等分する経緯線が引かれている。小さい方には,黄道にそって月日が記入されていて,惑星の観測値を記入したものと思われる。安永年間(1772~1781)に作られたと思われる。
渾天儀と天球儀は,仙台藩の天文学者・戸板保祐(といたやすすけ)(1708~1784)の設計により作られた。象限儀は,真鍮製であることや直角を90度にしていることから,西洋天文学の輸入後に仙台藩の天文方で,戸板保祐(といたやすすけ)の弟子によって製作されたものと考えられる。渾天儀 直径105.0cm,天球儀(大)直径90.0cm,(小) 直径40.0cm(仙台市天文台所蔵)

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