ヨトウムシとは,ヨトウガと呼ばれる蛾の一種の幼虫であり,ふ化直後は,葉裏から表皮を残して葉肉を食害し,白く透けた食痕が次第に拡大していく。しばらくは葉の上で生活を続けるが,大きくなると日中は根もとなどにかくれ,夜間に現れて葉を食べる。左側の写真は本葉液栽培で確認されたヨトウムシであるが,モロヘイヤにおいて根元の部分で丸くなっているものを発見した。35o程度に成長しており,まもなく蛹化するものであると考えられる。右側の写真はモロヘイヤにおける食害の様子である。なお,モロヘイヤ以外にも本養液栽培においては,ミニトマト,レジナで,また,イネ科(トウモロコシ,イネなど)やアブラナ科(キャベツ,ハクサイ,ダイコンなど)にも多く見られる害虫である。また,発生は春よりも秋が多い。
幼虫は主に葉裏を食害するので,確認次第薬液を散布するのが最も確実であるが,安全上の問題や環境面での配慮を考えると,食害や糞が確認されたら,幼虫を発見し捕殺することが最も望ましいと考えられる。