ナス科をはじめ,様々な作物で発生する。
生態については,環境条件等にも影響を受け,解明されていない部分もあるが,一般的に,春,秋は10日〜2週間,夏期は1週間程度で幼虫から成虫までの一世代を終えるので繁殖が著しい。
成虫,幼虫ともに新芽や葉裏に群がって寄生して汁液を吸う。モモアカアブラムシが様々な作物に対しての害虫とされているが,本養液栽培でも,ナス,ピーマン,ミニトマト,オクラ,メキャベツ,ブロッコリー,バジルなど多くの作物での発生が確認された。
上の写真の左側は,ピーマン,右側はナスに発生したモモアカアブラムシである。またしたの写真の左側はバジルに発生したアブラムシの仲間,右側はその幼虫と成虫である。
アブラムシが吸汁することにより,作物の生育が停滞する。特に新芽などの生育に影響を及ぼす。
このため果菜類においては,開花や結実に多大な影響を及ぼす。
また,これらの直接的な被害以外にも,各種の病原菌を媒介するおそれもある。
対策としては,薬剤の散布が一般的ではあるが,室内における養液栽培においては,
アブラムシが寄生している苗を持ち込まなければ被害はないものと思われる。
環境面や安全面を考慮し,本養液栽培では,水洗いや刷毛による駆除,
および牛乳の散布によるアブラムシの窒息死を試みた。
実践結果より,発生初期であれば有効であると考えられるが,大量発生後の効果はほとんど確認されなかった。