12月6日(水),6年生に「先輩に学ぶ」の特別授業が行われました。今回のゲストティーチャーは,住吉台小学校卒業生の漫画家,イラストレーターであるじんのあい様です。個展で油絵を描いて発表することもあるそうです。自ら被災地で取材を重ねて,被災した人々の思いを描いた作品「星の輝き,月の影」の作者です。
じんのあいさんは,始めに,小学校の時にクラス新聞とかイラストを描くのが大好きだったということで,その頃に作った新聞やイラストを見せてくださいました。絵を描いたり,お話を作ったりすることが得意だったことがよく伝わるものでした。
次に,マンガの仕事とイラストの仕事の違いを子供たちに質問しながら教えてくださいました。イラストの仕事は,仕事を依頼する方が,言葉で「○○のようなイメージで」と言ったことに対して自分の想像力を広げてバリーションが多いとたくさんの絵を描ける。漫画の仕事については,ストーリーを起承転結を考えて作らないと,読んでいる人に思いが伝わらないとおっしゃっていました。
その後,子供たちにお題が出されました。「クロームブックの画面に5分間で「悲しい」「うれしい」の2つの場面を絵で表してください」というものです。5分後に,クラスの一人一人の絵をテレビ画面に映しながら,コメントしてくださいました。「色を使うってのは強いですね。すごく分かりやすいです。」「口元に効果がついていてすごいですね。」「これは一発で分かるよね。すごく悲しいってことで静かになったんだよね。」というように,「悲しい」といっても色々なバリエーションがあって,それぞれ思いを持って描くことがすばらしいことだと教えてくださいました。
じんのあいさんは,最後に次のようなことを話してくださいました。「子供の頃って,物を見ているときにキャッチする情報はものすごくたくさんあるんです。でもキャッチして自分で理解しないと絵に描けないんです。5分間,つまらなかったなと思ったら,そこからが始まりです。バリエーションはたくさんあるんです。悲しみといっても色々な表情があるし,人を描かなくても表現できるのです。描くということは,「見る」ということなんです。描けないってことは「見てなかった」ということに気づけることなんです。今回,皆描いたことがすばらしいことです。」
「子供の頃に,気付いたことを自由に書いた日記やノートが,私のデビュー作「時間割」を生み出してくれました。人を見るということは,自分を理解することになるんです。皆も自分のノートっていう物を用意して,それを大人になるときまで書き続けてほしいと思います。後で振り返ったときに,今と全然違う物に見えると思います。それはとても面白いことです。皆さんもいろんな職業に就くと思いますが,ぜひそういうノートを作ってくれたらと思います。」
自分の生きている世界の周囲をよく見ることや気付いたことを書き記すことが,自分自身を見つめ直すことになり,将来を豊かなものにするということを教えてくださいました。子供たちに自分について考えるきっかけを作ってくださり,ありがとうございました。
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けやき学級の皆さんとも交流し,「自分の顔を描こう」のテーマでかかわってくださいました。