鹿野小ブログ

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「こだわり」について

 はぐくみ教室では,対人関係に必要な基礎的な力の育成のために,社会的スキルの向上や情緒の安定,心理的不適応の改善,コミュニケーション能力の向上を目指した指導を行っています。
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 児童の中にはその特性により,強い「こだわり」を持つお子さんがいます。こだわりとは,特定のものや状態,行動パターンなどに強く執着する傾向のことです。何にこだわるかは児童によって異なります。そのこだわりと状況などにより,場合によってパニックやかんしゃくを起こしたり,不安や恐怖,混乱で固まってしまったりすることがあり,本人も周りも困ることがあります。
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 そこで,はぐくみ教室では,意図的にさまざまな経験を積ませることで,いろいろな状況に対応する力を身に付けさせていきます。写真は学習用の教材として用意してある将棋を通して児童が教師と関わっているところです。児童によっては,対戦することは結果に基づく勝ち負けしかないと思い込んでいたり,自分が負けたときの状況を想像しにくいという特性があったりする場合があります。児童のこだわりと気持ちを受け止めつつ,「負けて悔しかったんだね」などと気持ちを言語化するとともに,静かで落ち着ける環境を提供したり,別の行動を促したり,場合によっては深呼吸や水を飲む,体を動かすなどの方法により,自分に合った気持ちを切替える方法を探ります。また,他にも教材としてのボードゲームやカードゲーム(トランプなど),ボール遊びなどを通して,いろいろな関わりを経験させ,そこにはルールがあり,そのルールを守ることで人との関わりを楽しむことができることを実感させていきます。
 こだわりは,周囲の理解とともに,年齢を重ねながらさまざまな経験を積むことで,本人の自覚や努力,成長がみられるようになり,次第に少しずつ和らいでいくことが多いです。また,勤勉性や忍耐力,専門知識,記憶力の強さ,整理整頓など,良い結果につながるこだわりは,本人の強み,長所として活かしていくという視点も大切なことと思います。
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