子供たちの情報活用術を高めるためには,発信の質を高める必要があります。

そこで本年度は,発信の質を高めてきました。結果として次のことを 相手意識「他の生徒」

 
 成果2【整理・分類】発信前の思考:シンキングツールや付せんによる焦点化

  様々なシンキングツールを利用することで,思考の可視化を可能とした。

  付せん紙の特性をシンキングツールと組み合わせることで思考の焦点化を図った。

  教材「つくつた」を活用して,リーフレット作りの観点の焦点化を図った。

  ◎小学校の実践 シンキングツール「KWLシート」 教材「つくつた」

  ◎中学校の実践 シンキングツール「イメージマップ Yチャート」「付せん紙」

 成果3【発信】受信者からの反応:「フィードバックの場の設定」と観点の明確化

  情報を発信して終わりではなく,発信した相手にどのように伝わっているかを検証することが大切。

  事前にイメージすることで,伝える情報の観点が明確になりより良い発信を可能とする。

  ◎小学校の実践 

   場の設定「リーフレットを読んだ4年生からの感想」 

   観点の明確化「事前のインタビュー」

  ◎中学校の実践 

   場の設定「レポートの掲示とクラス内発表」  

   観点の明確化「事前の調査活動」

 
 次の成果は,本年度の研究を実践していく中で教員及び児童,生徒の変容が見られたことです。

 成果4 情報教育の転移:他教科に学び方を活かす姿

 ◎小学校では,社会でベン図に付せんを貼って,考えをまとめました。

 ◎中学校では,以下の3つの利用が確認されています。

  ・総合学習の時間に職場体験のまとめで,クラゲチャートやYチャートの利用。

  ・道徳と社会では,Yチャートと付せんを活用。

  ・生徒会活動の行事を提案する際にサン・ハレーションチャートを使用。

課 題

 本部会では,これからの課題は以下の2点と考えました。

 課題1 発信手段の選択の検討

  発信の手段を小学校ではリーフレット,中学校ではレポートという形に統一しました。

 さらに発信の質を高めるためには,発信手段の特性を理解させ目的に合わせた手段の選択をさせること

 が重要であると考えました。

  発信手段としては,リーフレットやレポート以外に,パソコンのプレゼンテーションソフトの利用や,

 ペープサート,劇,紙芝居なども考えられます。カリキュラムについては,教科横断的な授業を含めた

 情報活用術の系統的な指導を進めていくことが課題です。

 課題2 カリキュラムの検討

  小学校では国語,中学校では数学という教科の中で実践を行いました。

 しかし,実際の情報活用術の指導は,その教科や分野の中で収まらない場合もあります。

 教科や分野の目的と情報活用術の指導の目的が完全に合致しないことも多くあります。

 教科や分野,学年を超えて交流することが本来の情報教育であると考えます。

 発信する者と受信する者が実際に存在しなければ,伝えることの意味を感じることは難しいでしょう。

 受信した者からの反応により,次の発信への意欲が向上します。

  そして,それがスパイラルのようにつながっていくことが大切であると考えます。

 そのような指導を実践していくためには,学校全体でカリキュラムを見直すことが必要です。

 見通しをもって情報活用術の指導を行えるよう,それぞれの教科や分野をつなぐ時間の確保ができれば

 よいと思います。