平成21年度          生徒指導研修会平成21年度  生徒指導研修会

平成21年度の仙台市小学校長会生徒指導研修会が,11月17日仙台市教育センター大研修室で,仙台市教育委員会教育相談課の高橋恭一主任指導主事を講師に迎え,行われました。


 
   小野副会長あいさつ                     小嶋部長による講師紹介 


                                                  平成21年 11月17日(火)
                                              仙台市教育センター 大研修室

1 開会のあいさつ                           仙台市小学校長会 副会長          小野 英男 
2 講師紹介                               仙台市小学校長会生徒指導部長       小嶋  透
3 講  演
       「インターネット等に関わる少年の犯罪と犯罪被害について」
                                       仙台市教育局教育相談課 主任指導主事 高橋 恭一 氏 
4 質疑応答
5 閉会のあいさつ                           仙台市小学校長会生徒指導部副部長    橋 智男



平成21年度仙台市小学校長会

  演題:「インターネット等に関わる少年の犯罪と犯罪被害について」

講師:仙台市教育局学校教育部教育相談課 主任指導主事 高橋 恭一先生

 
 インターネット等に関わる少年の犯罪が一向になくならないのは,有効な対策がとりづらいことにある。実態を知り,危機感を持って子どもや保護者に伝えてほしい。

1 子供たちの実態
@ 刑法犯少年の検挙人員の推移 再犯率
   これまで4つのピークがあった。第1次は戦後の混乱期,第2次は高度経済成長期,急激な都市化が 進み,粗暴犯が多かった。このとき,学校警察連絡協議会が始まった。第3次は,校内暴力期。オートバイ等,様々なパフォーマンスがあった。青少年健全育成連絡協議会,地域ぐるみ生活指導連絡協議会が結成された。第4次は,平成10年頃,非行の低年齢化,凶悪化,いきなり型,多様化となっていった。宮城児童生徒サポート制度ができた。
 平成20年度中の再犯者率は32,1%で,過去10年間で最高の数値になっている。最近小学生の万引きが多くなった。その時に立ち直り支援をしっかり行う必要がある。

A 今,子どもが夢中なこと(着せ替え,オンライン)
   「親子でゲーム」は,カードを購入してパーティで競い合う。女子にとっては,とってもかわいいということでそれがステータスになっている。男子は,オンラインゲーム。いろんな人が入ることができ,発展していく。出会い系サイトのような使い方もでき,詐欺事件も起きている。

B 携帯電話の所持率の変化と利用実態
     2002年と2007年を比較すると倍くらいになっている。

2 様々なサイト
@ 「ケータイ」とは・・携帯型インターネット端末
   手のひらの中のボタン一つで,大人の世界とつながる端末である。暗い顔をして登校してくる子どもの中には,メールでいやなことを言われたとも考えられる。以前は,公衆電話でテレクラにつなぐなど外から見えていたが,今は見えなくなってしまった。

A 違法・有害情報
   18歳未満はだめなサイトであっても,18歳以上をクリックするとどんどん入っていける。

B 出会い系サイト・自殺サイト・家出サイト・その他違法・有害サイト
   実際自殺に結びついたり,まねをしてみようとする子もいる。暴行を受けるケースもあった。家出サイトは,家出している子を誘い込むサイトである。小さい子どもに興味を持っている大人がいる。有害サイトへのアクセス率はだんだんと高くなってきている。

C インターネット関連法案とフィルタリング
   出会い系サイト規制法・有害サイト規制法が制定され,今年,フィルタリングの義務化がなされた。しかし,保護者が使用しないとつけないこともできる。フィルタリングの率は高くなってきている。

D 交友関係の広がりと様々なコミュニケーションサイト
   SNS,プロフ,ホムペ,リアル,ライブチャット
   親の知らないところで,他人と会うことができる.メル友・遊び仲間・プチ家出につながっていく。トラブルに発展したり,長期間の家出になったりする。子ども向けのサイトに大人が入っていける状態にあり,実際,子どもが被害に遭っている。

3 事件・事故
@ 福祉犯罪と発生状況
 福祉犯罪とは,「少年の福祉を害し,又は少年に有害な影響を与える犯罪」のこと。
  
平成21年度上半期の統計(県内)から,検挙件数67件,被害人数39人。

A 様々な事例
   インターネットが利用された事件,インターネットを使っての呼び出しが多くなった。

4 安全教育の推進
@ 安全教育の考え方
   インターネットの危険性と被害・加害防止対策等について,大人も子どももさらに認識を高める必要性がある。

A 保護者の実態
   接続先の把握状況は,平成20年度,保護者は49,3%,生徒は42%であった。 このことから,保護者の監督責任が十分に及ばず,インターネットを危険な状況で自由に使用させている状況にある。

B ネット安全教育
   全校AUPの作成と全校アプローチ。約束の作成と親子で考える機会を作る。

C 積極的な情報収集と連携した対応
   もしかしたらと思ったら,迅速な対応を。全校としての取り組み。保護者との連携。 必要なときは警察との連携を。