市内に現存する仙台市域の中世の歴史がわかる古文書
ほおざわもんじょ
朴沢文書
Hozawamonjyo
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解説
Description
古文書12通は、鎌倉時代、宮城郡山村 (現仙台市泉区朴沢・根白石・七北田ほか)に所領を得た大河戸 氏の一族である朴沢氏に伝わった古文書群で、昭和12年(1937) 、東北帝国大学が購入した。古文書写4通は、昭和10年頃、東北帝国大学奥羽史料調査部が調査した際に作成されたと考えられる。系図5点も近代の写で、その内1点は書写情報に関する記載より、昭和7年に作成されたことがわかる。古文書のうち、鎌倉時代の関東下知状2通は、山村などに関する大河戸氏の所領安堵および分割相続をめぐる紛争に対して鎌倉幕府が発給したもので、鎌倉御家人による所領支配や、惣領・庶子による分割相続の様相を具体的に示すものである。また、建武政権・南北朝時代の古文書および古文書写からは、大河戸氏が多賀国府に下向した陸奥守北畠顕家 に従い本領安堵・新恩給与を得たこと、北畠顕信 と吉良貞家 による国府争奪戦の中で、大河戸氏一族は双方と関係を持ちながら行動していたことがうかがえる。
いずれも鎌倉時代に現仙台市域の一部を領有した武士の所領支配の在り方や、南北朝時代の政治的動乱における在地領主の動向を示すものである。市内に現存する中世の古文書正文は少なく、仙台市の歴史が記録された貴重な文化財といえる。