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六反田遺跡

縄文時代中期から近世にかけての複合遺跡。数多くの遺構・遺物を発見。

ろくたんだいせき

六反田遺跡

Rokutanda iseki

所在地

太白区大野田5丁目
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解説

六反田遺跡は,市の南部にあり,地下鉄富沢駅の北東に位置する。旧笊川沿いに形成された標高10~12mの自然堤防上に立地しており,面積は約77,700㎡である。仙台市教育委員会による昭和51年(1976)~53年,56~61年,平成9年(1997)の調査で,縄文時代中期から近世にかけての遺構,遺物が発見された。遺跡の主体は,縄文時代後期初頭の居住に関わる遺構群と,古墳時代後期末葉~平安時代の居住と生産に関わる遺構群である。縄文時代では,中期中葉の竪穴住居跡1軒,中期末葉の竪穴住居跡1軒と埋設土器2基が発見されているが,後期初頭の遺構が最も多く,竪穴住居跡12軒のほか,土坑114基,埋設土器9基,柱穴列3列,配石遺構6基,炉跡2基,遺物包含層がある。これらの遺構群は,自然堤防の高まりに沿って竪穴住居跡,柱穴列,その両側に他の遺構が配置されている。出土遺物には,多量の土器や石器のほか,岩偶,石碗などの人工遺物と,ブリ,クロダイ,ニシン科,サケ科などの魚骨,炭化したオニグルミなどの自然遺物などがある。生業活動を含めて,この時期の集落の実態を考えるうえで貴重な成果となった。古墳時代後期末葉~平安時代では,竪穴住居と掘立柱建物からなる居住域と,畑を主とする生産域が確認され,5時期の変遷が明らかにされている。居住域からは,関東地方との関連性が考えられる「上総型暗文(かずさがたあんもん)土器」が8世紀初頭~前葉の竪穴住居跡から出土しており,注目されている。生産域については,遺跡の一部で平安時代の水田は発見されているが,ほとんどの調査で畑が確認されており,自然堤防での生産活動を知るうえで貴重な成果となった。このほか,六反田遺跡では,古墳時代の円墳1基,石棺墓1基,木棺墓1基,中世~近世の建物跡も発見されている。

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