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山田上ノ台遺跡

縄文時代中期の集落跡。「仙台市縄文の森広場」として整備。

やまだうえのだいいせき

山田上ノ台遺跡

Yamada-uenodai iseki

所在地

太白区山田上ノ台町
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解説

山田上ノ台遺跡は,市の南部にあり,JR長町駅の西約5㎞に位置する。名取川北側の河岸段丘上に立地し,東西両側を南北方向に入る谷に分断され,舌状に張り出す地形となった台地の南端にあたる。標高は50~55mで,範囲は東西約390m,南北約350m,面積約101,000㎡である。昭和55年(1980)の宅地造成に伴う調査により,縄文時代中期の大規模な集落跡と,平安時代の集落跡,近世の墓地が発見された。縄文時代の遺構としては中期の竪穴住居跡38軒,前期から後期の土坑320基以上,中期から後期の遺物包含層がある。中期末の大規模集落であり,住居は台地南縁の東西2ヶ所につくられ,台地の中央には共同の広場が設けられていた。住居の周囲には食料貯蔵や土器焼き,粘土貯蔵用の穴がある。平安時代の遺構は竪穴住居跡4軒,掘立柱建物跡,土坑,溝跡である。また,旧石器時代の石器が発見され,下層の資料は3万年前を超える古さの石器群として注目された。昭和59年の調査では後期旧石器時代の石器製作が確認されている。平成14年(2002)の調査は,平成12年に発覚した前・中期旧石器ねつ造問題をうけて実施された検証発掘である。後期旧石器時代の石器が321点出土し,炭化物集中部も1ヶ所検出され,後期旧石器時代の確実な遺跡であることが実証されたが,昭和55年出土の3万年前を遡る石器はすべてねつ捏造された可能性が高いと判断された。日本考古学協会による検証でも,下層(中期)の石器は本来の資料としては疑義が著しく,意図的に埋め込まれたものと判断されるとの結果であった。縄文時代の集落構造が明らかにされた例は県内では少なく,集落研究上,貴重な遺跡である。公有化により,現在は「仙台市縄文の森広場」として活用されている。竪穴住居が3軒復元され,縄文ムラの様子が再現されているほか,各種の体験活動ができるガイダンス施設も付設されている。

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