現在位置
仙台市の遺跡(仙台市HP) >
仙台市の遺跡 >
松木遺跡

平安時代から近世にかけての集落・屋敷跡。中世・近世の屋敷跡からは多数の陶磁器が出土。

まつきいせき

松木遺跡

Matsuki iseki

種別区分
集落跡 屋敷跡 古墳・墓
年代
平安時代 中世 近世
面積
13,500㎡

所在地

太白区柳生6・7丁目
Google mapへのリンク

解説

松木遺跡は,市の南部にあり,JR南仙台駅の南西約1.7kmに位置する。名取川により形成された標高13mの自然堤防上に立地し,面積は約13,500㎡で,その範囲は東西150m,南北300mである。昭和60年(1985)に土地区画整理事業に伴う調査が行なわれ,遺跡は4時期の変遷があることが明らかになった。第1期は平安時代で,竪穴住居による集落が形成されている。土師器や須恵器のほか刀子(とうす)や鏃(やじり)などの鉄製品も出土している。第2期は12世紀から14世紀頃で掘立柱建物跡,井戸跡,火葬遺構,溝跡などが発見され,県内産を主とする陶器のほか,常滑産や渥美産の陶器,古瀬戸の瓶子,皿,碗,香炉,中国産の青磁や白磁なども出土している。香炉の存在から武士階級が居住していたことが考えられる。第3期は16~17世紀にかけてで,掘立柱建物跡と土坑・溝跡が検出され,美濃産と唐津産の釉のかけられた陶器が出土している。陶器の中には香炉や茶入れがあり,茶の湯をたしなむ身分の人が住んでいたことが明らかとなった。第4期は18世紀から19世紀後半にかけての時期で,堀跡や土坑などの遺構が発見されている。遺物は,肥前や唐津・美濃産の陶器や磁器の他に相馬や堤・上野目・平清水など東北地方産の陶器や磁器があり,特に第4期の後半になると東北地方産の製品の割合が増えることが確認された。第4期の陶磁器は,質・量とも豊富で,この時期に一般の農民と異なる富裕層が居住していたと推定される。このように松木遺跡は,平安時代期の当地域の農村の暮らしと中世以降の土地の有力者の生活を知る上で貴重な遺跡である。

このページのトップへ戻る