地蔵浦遺跡

解説

地蔵浦遺跡は，市の東部にあり，仙台駅から東約6kmに位置し，仙台市東部に広がる沖積平野に立地する。標高は3.5mほどで，面積は15,300㎡，遺跡の範囲は東西150m・南北110mである。旧地形は，未発達の自然堤防から外れた後背湿地であり，水田として土地の利用が行なわれていた。土地区画整理事業が行われた現在は，商業地帯として倉庫などが多く見られるようになった。土地区画整理事業の際に，遺跡にかかる道路建設予定地で発掘調査が行なわれた。調査の結果，遺跡範囲の南東に設定した調査区から，古代の平瓦の破片1点と中世陶器の甕(かめ)の破片1点が出土したが，他の遺物や遺構は発見されなかった。調査地点が後背湿地に当たるため，地下水位も高く，集落などの土地利用にも制限が著しいことが，遺物の発見が限定的である理由と考えられる。