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青葉山A遺跡

旧石器時代の遺跡。石刃素材のナイフ形石器,削器,石刃を採取。

あおばやまえーいせき

青葉山A遺跡

Aobayama-e iseki

種別区分
包含地
年代
旧石器時代
面積
34,900㎡

所在地

青葉区荒巻字青葉山
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解説

青葉山A遺跡は,市の中心部に近く,JR仙台駅の西約4㎞に位置する。広瀬川の最も高い河岸段丘上に立地している。標高は196~204mで,面積は約34,900㎡である。昭和43年(1968)に石器が3点採取され,東北大学考古学研究室へ届けられた。採取石器は,旧石器時代を特徴づける石刃,石刃を素材としたナイフ形石器で,後期旧石器時代の遺跡であることが確認された。ナイフ形石器は石刃を素材としており,基部と側縁の一部に主要剝離面からの細部調整が施されている。ほかの1点は横長剝片の末端に,素材剝片の主要剝離面から,一部に自然面が残存する表面側へ細部調整を施して急角度の刃部を作出している。石材は3点とも良質な珪質頁岩(けつがん) が使われている。以上の3点の採取資料のみで確認された遺跡ではあるが,市内で最も早くから知られた旧石器時代の遺跡として注目されてきた。発掘調査は,平成元年(1989)に,仙台市教育委員会による無線中継所建設に伴う調査が実施されているのみである。調査地点は遺跡の北西部であり,無線中継所の鉄塔基礎に合わせた5m四方の調査区を4ヶ所設定して行われている。すべての調査区で地表から3~3.5m下の段丘礫(れき)層まで掘り下げられているが,遺物,遺構は発見されなかった。しかし,川崎スコリア層,御岳第1軽石層,愛島軽石層などの年代を示す鍵層が明瞭な上下関係のもとに確認され,年代決定や層序検討のための有効な指標が得られた調査であった。石器の採取された,遺跡の主体となる部分がどの位置にあたるのか,また,この地で人々のどのような生活活動が行われたのかなど,多くの課題が残されている。

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