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群青に澄む大空の   涯なき極み陽は溢れ
彩なす光松陵の    学び舎映し照りはえる
遙か宇宙の道標に   理想をかざす旗なびく
翔けよ青春逞しく   未来を拓くこの力
川霧こめる七北田の  さやかな流れ近く聴き
折ふしの花松陵の   学び舎めぐり咲きにおう
遙か希望の海原に   友情点す漁火かがよう
満ちよ青春美しく
    心ゆき交う船の路
暁告げる百鳥の      競いさえずる森を背に
その名も緑松陵の   学び舎は立つ丘高く
遙か奥羽の山脈に   真理を宿す泉湧く
とどけ青春はつらつと 生命燃えたつ若い風
仙台市立松陵中学校  校歌を 再生します


                     





                     






                     




  作詞者の言葉:藤井 黎先生
 
 
松陵は住宅地として拓けた新しい街・若い街です。
 私もここに住むことになってから一年余りになりますが,毎朝皆さんのはつらつとした通学風景を眺めるのが楽しい日課の一つになっております。そこには青春のきらめきがあります。
 人生には「青春」という短いながら夢輝く多感な時期があります。中学生活の3年間は,長い人生の中で最も美しく光っている宝石のような青春前期,素晴らしい時期に当たります。
 松陵はまた「緑の街」そして遠望する奥羽山脈や近くを流れる七北田川は,いずれも千古の生命を今に伝えています。時の悠久を黙示しています。

  
松陵のこうした地域個性と,中学生という人生の最も美しい季節ーこの2つを基調として松陵中学校の校歌は生まれました。
 「緑・花・光」「山脈・海原・宇宙」「真理・友情・理想」が各章のキーワード,そして「遙か・青春・学び舎」が共通項になっています。
 作曲も私と同様に松陵に住んでおられる曽我先生ー名実ともにこの校歌は,松陵に生まれ,そこに育ちながら歌い継がれる「松陵ブランド」です。いつまでも歌い続けてください。


                    平成6年11月26日
 作曲者のことば:曽我 道雄 先生
  
 
私は、松陵に住むようになって8年になりますが、本年4月、松陵中学校の立派な校舎が完成し、開校されたことを住民の一人として心から喜んでおりました。
 このたび思いがけなく、松陵中学校の校歌の制定に当たり、藤井黎市長さんの作詞による作曲のご委嘱をいただき、大変光栄に存じておりました。
 歌詞は、松陵中学校の周りの豊かですばらしい自然環境を歌い、そこで学んでいく生徒諸君の現在と未来への期待と願いを込めて格調高く歌い上げられています、私は読むほどに共感を呼び覚まされているような、味わい深い歌詞の内容に引き込まれ、お陰で作曲することができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
 曲は,二つの部分で構成されています。前半は、拍の流れに乗って冒頭一小節目の歯切れのよいリズムの旋律を、明るくはつらつと歌いたいと思います。後半は,順次進行の旋律を落ち着いた気持ちを歌い始め,続いて跳躍して進行する形の旋律を繰り返しながら次第に盛り上がり,この曲の山を感じながら,歌詞に込められた気持ちを理解し,曲想豊かに表現したいと思います。
 「声を響かせ,朗々と歌おう」

   校歌制定披露式:平成6年11月26日
  穏やかな秋空のもと,待望の校歌制定披露式が体育館で行われた。
 「校章」「校旗」はあったが校歌がまだなかったため,行事や集会などがあるたびに物寂しい思いがした。
 松陵の学校,松陵の校歌ということで,松陵に在住の藤井仙台市長が詞を,曲を曽我道雄先生に作っていただけることになったことは,松陵中学校にとってまさに千載一遇の好機であった。
 披露式までの毎日,生徒・職員は渡された校歌を朝に放課後に,集会にと練習し,自然と心の中に染み通っていった。緑取り巻く松陵を豊かに歌ったこの校歌は,いつまでも歌い続けられるだろう。