中学生の皆さんへそして中学生のお子さんをお持ちの保護者の皆さんへ
商業高校をご存知ですか?
普通高校で学ぶのはほとんど普通科目ですが、商業高校では全体の科目の中で普通科目を2、商業に関する専門科目を1の割合で学習します。
分野 | 流通ビジネス分野 |
国際経済分野 |
簿記会計分野 |
経営情報分野 |
---|---|---|---|---|
身につく能力 | マーケティング能力 |
国際交流能力 |
会計活用能力 |
情報活用能力 |
学ぶ科目 | ビジネス基礎 |
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商品と流通 商業技術 マーケティング |
国際ビジネス 経済活動と法 英語実務 |
簿記 会計 原価計算 会計実務 |
情報処理 ビジネス情報 文書デザイン プログラミング |
|
まとめの科目 | 課題研究 総合実践 |
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内容 | わたくしたちの生活に必要なものは商品として、生産者から流通活動を通じて消費者に提供されます。特に商品流通についての正しい知識と理解を身につけて、社会の一員として活躍するために次のような科目を学習します。 | 会社の経営や経済,法規および英語実務の学習をします。 | 企業では、取引を正確に記録・計算・整理することが重要です。そこで、帳簿記入や会計処理についての知識と技術を身につけるために、次のような科目を学びます。 |
コンピュータや通信技術の発達に伴い、あらゆる分野で情報化が進んでいます。ワープ ロやコンピュータなどの機器を使いながら情報処理の知識や技術を身につけるために次のような科目を学びます。 |
学校により多少違いますが、前記の科目のうち基礎的な科目(太字)は大体の人が学習します。 一般的に6〜10科目位です。下に宮城県のある学校の1年生のカリキュラムを載せておきます。(単位数とは,1週間に何時間授業があるかを示します。)
教科 | 科目 | 単位数 |
---|---|---|
普通科目 | 国語総合 現代社会 数学Ⅰ 理科総合A 体育 美術Ⅰ オーラルコミュニケーションⅠ 英語Ⅰ |
4 2 3 2 3 2 1 3 |
普通科目計 |
20 |
|
商業科目 | ビジネス基礎 簿記 情報処理 |
2 4 3 |
商業科目計 |
9 |
|
特別活動 | LHR | 1 |
合計 |
30 |
商業高校では、数字の書き方・読み方、そろばんの各部分の名称など全く初歩から親切・ていねいに指導していますから、そのような心配や不安は無用です。一年たてば3級に合格するほどの実力がつきます。また、電卓による指導を行っている商業高校もあります。
全国商業高等学校協会が毎年実施している検定試験には次のものがあります。検定試験はそれぞれの教科・科目の目標を達成することをめざして、商業高校の生徒の技術や専門知識の向上を図るために実施されています。生徒の学習状況に応じて級が設けられていますが、ふつう1年生で3、2級、2・3年生で2〜1級合格が可能です。
これらの級の取得は、社会で高く評価されていますので、就職する場合だけでなく、進学する場合にも大いに有利になります。
さらに、大学生でも取得のむずかしい経済産業省主催の情報処理技術者試験のソフトウェア開発技術者試験・基本情報技術者試験、日本商工会議所主催簿記検定試験1級に合格している高校生もいます。
なお、全国商業高等学校協会は、特別表彰制度を設け、在学中に前記の試験で3種目以上1級に合格した生徒に対し、卒業時に表彰しています。
種 目 | ね ら い |
珠算・電卓 | そろばん・電卓での商業に関する実務計算処理能力を判定する。 |
簿 記 | 簿記による記帳・計算処理能力を判定する。 |
ワープロ | ワープロによる文書作成力,文書処理能力を判定する。 |
英 語 | 英語で聞く,話す,読む,書くの総合的な力を判定する。 |
情報処理 | プログラム・ソフトウェアを活用した情報処理能力を判定する。 |
商業経済 | 商業経済に関する知識の理解力を判定する。 |
パソコン入力スピード認定 | パソコン入力の技能を判定する。(4級〜5段) |
商業科だけではありません。近年、社会の情報化・国際化・サービス化の進展に伴い従来の商業科のほかに、専門性をより深める小学科を設ける学校が増えています。情報処理科・会計科・流通マネジメント科・国際経済科・商業デザイン科・国際会計科など全国で30種余りの小学科があります。
以下いくつか簡単に説明します。
宮城県内にある商業科以外の学科を持つ高等学校
学 科 | 高 等 学 校 |
流通経済科 | 一迫商業高等学校 |
流通マネジメント科 | 大河原商業高等学校 |
会 計 科 | 一迫商業高等学校 |
OA会計科 | 大河原商業高等学校 |
情報処理科 | 一迫商業高等学校 |
情報システム科 | 大河原商業高等学校 |
情報ビジネス科 | 古川学園高等学校,志津川高等学校 |
総合ビジネス科 | 石巻商業高等学校 |
商業高校では、りっぱな社会人の育成をめざしていますから、生徒が日常の基本的習慣やしつけをしっかり身につけられるよう、生徒の自主性を尊重しつつ行さ届いた指導をしています。
中学校で行われている部活動のほとんどがあります。珠算、簿記、パソコン、ワープロ、商業研究部など、商業高校ならではのユニークな部もあります。また、マスコミでも報じているように、スポーツなどの全国の競技大会で大変活躍しています。
また、部の合宿も盛んで生徒の部活動を一段と楽しいものにしています。
学校行事は多彩です。豊かな学校生活を送るために、次のような行事が計画・実施されています。 移動教室・遠足・修学旅行・社会見学(証券取引所、卸売市場、工場等)・販売実習・コンピュータ実習・部活動の合宿・体育祭・文化祭・スポーツ大会など、たくさんの行事があります。
商業高校の進路指導は大変充実しています。長い伝統と多くの実績及び一人ひとりの生徒の個性、適性に応じたきめ細かな進路指導によって進路の目標を達成しています。商業の専門性を生かして下記のような進路をとり、各分野で活躍しています。
職域は広く求人も多い
商業高校で身につけた専門的知識・技術や勤労覿が社会から高く評価されて、あらゆる職種に進出しています。
資格取得・実力の時代
今日では、大学・短大卒業者が従来の高校卒業者の就職分野まで進出してきています。その中で、商業高校生は専門技術や資格を生かし、実力と勤務の実績が評価されて活躍しています。
また、学歴による生涯賃金の格差も少なくなり、今後、ますます実力が重視される時代になりつつあります。
進学希望の生徒も多く、大学・短大の商業に関連した商学部・経済学部などに進学しています。 また、専門学枚に進む者も多くいます。入学後、普通高校出身者に比べ商業の専門知識を生かすことができるなどの有利さもあります。商業高校生の推薦入学の合格率は、普通高校生に比べて高く、受験競争から比較的解放されて充実した高校生活を過ごすことができます。
大学進学希望者に対する配慮
商業の別枠推薦 募集人員の一部について商業高校卒業見込者を対象とする推薦枠を用意している大学があり、さらに、拡大される方向で検討されています。
代替科目による受験
受験科日の一部を商業科目で受験できる大学があります。センター試験でも、「数学」の代わりに「簿記」「情報処理」で受験できます。