上杉山通小学校  学区の散歩道

第3回  外記丁・勾当台って変わった名前でしょう

 仙台はみなさんご存知のように,伊達政宗によって約四百年前に開府された城下町です。戦後しばらくは,いかにも城下町らしい町名や地名が残っていました。それが区画整理事業による町内の再編や昭和40年代からの住居表示整備事業に伴い,新たな町名に変更になりました。
 ところが仙台市民の多くはこの歴史的町名を大切にし,町内会名や公園の名前などに残してきました。上杉地区もその例に漏れず,多くの歴史的町名が残っています。今回は,その町名や地名の中でおもしろいものを紹介します。
(仙台市では市制88周年記念事業として昭和52年から平成6年にかけて「辻標」を街角に建て,パンフレットや地図の作成を行ってきましたが,その後も,文化遺産ともいうべき歴史的な町や通りの名称を現代の市民生活やまちづくりに生かせないかという声が高まってきたことから,仙台開府四百年を契機に,それらの活用を図る「歴史的町名等活用推進事業」に取り組んでいます)
 
 
学区内にある歴史的な町名・地名
 大仏前(おぼとけまえ)・長刀丁(なぎなたちょう)・同心町(どうしんちょう)・表小路(おもてこうじ)・定禅寺(じょうぜんじ)・光禅寺(こうぜんじ)
・勾当台(こうとうだい)・外記丁(げきちょう)・杉山通(すぎやまどおり:第一回目に掲載)・北一〜八番丁(きた○ばんちょう)・宮町など多数あります。
 上小も,大仏前小学校や外記丁小学校など当時建っていた地名を学校名としていた時代もありました。

 なかなかおもしろい名前がいっぱいでしょう。昔の町名は,鍛治町や材木町など分かりやすいものもありますが,どうしてこの名が付いたか名前を見ても分からないものもあります。今回は,そんな地名をご紹介したいと思います。

 学区にはこの歴史的町名にちなんだ公園があります。一つは,学校の北東隣のブロックにある「外記丁公園」です。読み方が分からず「そとしろ?・とき?」など疑問に思いながらも誰かに聞くほどのことでもなく過ごしてしまうような,さもない小さな児童公園です。もう一つは「勾当台公園」。県庁と市役所のすぐ隣にあり,仙台市民の憩いの広場として有名で,毎週何かしらのイベントが盛大に行われ,仙台市民のだれもがその名を即答できる県内でも有数の公園です。
 実は,この対照的な公園は,同じような経緯で名が付けられているのです。
 
 
外記丁の由来
 仙台藩の初代藩主伊達政宗に仕え「豪勇」と評された武士に,「齋藤外記」がおりました。斎藤外記は伊達政宗が米沢で過ごした時に仕え、岩出山を経て仙台に移った後に50石の禄を与えられました。盗賊逮捕や大阪の陣の時には足軽を率いて活躍するなどの武功を上げました。また、隠密のような働きをして,裏切り者を告発するなどさまざまな功績をあげました。これらの功績により政宗から1000石を与えられました。その後も,いろいろと功績を重ね,政宗の信頼の証として町名にその名を残すことを許されたのです。「外記は脱藩しては功績をあげまた仕官されるということを繰り返していたため,脱藩はあくまでもカモフラージュで,実は政宗の必殺仕事人のような懐刀ではなかったか?」という説もあるちょっと不思議な人物なのです。
 外記丁は,このようなかたちで付けられた由緒ある町名なのです。

 
勾当台は?
 勾当台という名は、仙台藩祖:伊達政宗が寵愛した盲目の狂歌師:花村勾当(はなむらこうとう)の屋敷があったことで付けられた地名だそうです。実際,花村勾当の屋敷があったのは現県庁付近であり,現在の勾当台公園には定禅寺がありました。勾当台公園に接する定禅寺通の名はこの寺から来ています。花村勾当は,政宗に名を尋ねられて、「な(名)に一字 ちがいありとて ことごとし きみは政宗 われは政一」と即答したことで気に入られ登用されたということです。

 実は,勾当というのは名前ではありません。当時の盲人組織の中での官職であり、検校(けんぎょう)、別当につづく上から3番目の役職です。ちなみに4番目(一番下)の官職は座頭です。四十代以上の方なら誰でも知っている,かの座頭市は,座頭の「市さん」という意味なのですね。勾当と座頭の意外な関係でした。

 丁と町

 
仙台の城下町も他の城下町同様、身分制度に基づき、侍屋敷(武家居住区)と町屋敷(町人居住区)に分けていました。そして、町境には「丁切」という木戸が設けられていたそうです。仙台が特徴的なのは、侍屋敷の街区には「丁」を、町屋敷や足軽、職人の街区には「町」を用いた名称を付けていたことです。つまり,片平丁には上級武士が住んでいましたし、東一番丁、東二番丁には中級武士が軒を連ねていました。町人町は大町や肴町、足軽町の三百人町や成田町、職人町の石垣町、弓ノ町などがありました。

外記丁公園,子どもたちの遊び場です 合同庁舎前にある外記丁の辻標 外記丁通りは歩道がきれいに整備されました。
錦町公園脇の大仏前通り かつてはここ大仏前に学校がありました 同心町中丁:大仏前と同心町を結ぶ小道
仙台市民の憩いの場,勾当台公園(後ろは県庁) 表小路:国分町から藩校の表門までの小道 この官庁街は,杜の都を名乗るにふさわしい場所