第15回 仙台市中学校長会総会 挨拶
仙台市中学校長会長 岩田 光世   

 校地内の八重桜は既に3月に笑い始めました。今は,牡丹の蕾が大きく膨らみ,まさに深紅の光を放とうとしております。
まん延防止等重点措置適用の中,今年度もやむなく,仙台市中学校長会総会中止を決断せざるを得ず,このことにつきまして,本会会員,並びに,関係各位の御理解と御協力を賜りましたこと,深謝申し上げます。
 本会は今年度,発足より15年目を迎えます。この間,本市の教育の振興への寄与を目的とし活動してまいりましたが,先達の校長先生方が紡いでこられた理念やその強い思いに触れたとき,改めて身の引き締まる思いがいたします。皆様の御功績に感謝の念を抱きながら,その襷をつなぎ,目の前にとどまらず,未来の中学校の躍動につなぐべく,生徒たちのために,力を尽くしてまいる所存でございます。
 この春の人事異動では19名の皆様が御勇退,5名の方が御退会となりました。これまでの御尽力に感謝申し上げますとともに,御教示いただきましたことを胸の中で大切に温めてまいりたいと存じます。そして,新たに3名の方の再入会,20名の方の新入会がありました。心より歓迎を申し上げるとともに,大変心強い思いをいたしております。
さて,この1年,私どもは新型コロナウィルス感染症への対応に追われながら,いかに教育活動を推進するかという課題と対峙することとなり,まさに,大変難しい判断を迫られる時間を重ねてまいりました。
 そして,折しも今年度は,昨年度末に策定された「仙台市教育構想2021」に基づき「たくましく,しなやかに自立する子どもの育成」を目指し,その理念実現に向けた実践の初年度となります。また,中学校においては新たな学習指導要領の全面実施を受け,カリキュラムマネジメントの推進,主体的・対話的で深い学びの視点での具体的な授業改善,その一つの手立てとして,GIGAスクール構想に係る端末活用の具体化等も求められております。
 さらに,いじめ防止,不登校対策,コミュニティ・スクールの具現化,そして,働き方改革等,取り組むべき様々な喫緊の教育課題と向き合っていかなければならない状況下にあります
 「校長としての力量」が,今,まさに強く求められているということを,会員全員で確認したいと思います。
この3月,東日本大震災から10年目を迎えました。本会は発災時,10年間は同じスローガンの下,活動を推し進めるという方針を決定し,様々な取り組みを展開してまいりました。今般,一つの区切りを迎え,先に申し述べました新たな教育課題への対応も視野に入れることを求められていることから,従来の考え方を継承しつつも,会としての新たに目指す理念を以下のように設定いたしました。

   ともに悩みを分かち合い,知恵を出し合い支え合い,創造と貢献を目指し合う仙台 市中学校長会

 コロナ禍をはじめ,様々な課題に対応すべく,先ずは会員同士の情報共有の緊密化と連携を図ることが強く求められています。そのうえで,校長会の会員の知恵と力を合わせて,教職員や地域を含めた地域とともに,生徒たちのために尽くしていきたいという強い思いや願いがございます。本会66名の校長は,先を見据えながらも目の前のことに真摯に正対し,確実な一歩一歩を積み重ね職責を果たしていくことをここにお誓い申し上げます。 
 結びとなりますが,歴代の会長様はじめ諸先輩各位,仙台市教育委員会,そして関係諸団体の皆様に,今後の更なる御指導,御鞭撻をお願い申し上げ,挨拶とさせていただきます。


 令和3年4月30日