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前田館跡

柿沼氏の居城とされる中世城館跡。

まえだたてあと

前田館跡

Maeda-tate ato

種別区分
城館跡
年代
中世
面積
15,700㎡

所在地

太白区中田6丁目
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解説

前田館跡は,市の南部にあり,JR南仙台駅の南方0.6㎞に位置する。名取川下流域右岸,標高約8mの自然堤防上に立地し,面積は約15,700㎡である。遺跡の南側では,隣接する壇腰遺跡との間に,清水川(清水堀)が流れている。前田館は柿沼氏の居城と伝えられているが,この館の来歴については複数の地誌に記述があるが,内容はそれぞれ大きく異なっている。またこれらの記述は柿沼氏の系図と一致するところが少ない。館跡の時代は南北朝時代~戦国時代にわたるもので,二重の水堀と土塁に囲まれた270m四方に及ぶ平城形式の屋敷であり,周囲の湿原地帯には大小の湖沼や清水堀の流路などが複雑に入り組んだ要害であったとされる。かつては屋敷地の南側と東側に土塁が廻り,北西隅に「見張り場」と呼ばれる高まりがあったといわれているが,その痕跡は現在のところ確認されていない。平成17年(2005)に行われた発掘調査では,溝跡が2条検出された。うち1条は遺跡の南側を区画する堀跡と考えられる。この堀跡より約60m南に,壇腰遺跡の発掘調査で発見された堀跡がある。これら2つの溝は館跡を囲む二重の水堀の可能性がある。堀跡は少なくとも18世紀頃までは機能しており,その後,人為的に埋め戻されたものと考えられる。

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