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中田南遺跡

古墳時代から中世にかけての集落・屋敷跡。

なかだみなみいせき

中田南遺跡

Nakada-minami iseki

所在地

太白区中田7丁目
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解説

中田南遺跡は,市の南部にあり,JR南仙台駅の南東約1㎞にある。名取川やその支流によって形成された標高7~8mの自然堤防上に立地する遺跡で,面積は77,300㎡である。国道4号線の旧道付近から同バイパスの間にかけて東西500m,南北200mの範囲に広がっている。この付近の自然堤防上には遺跡が連続して分布しているが,当遺跡もそのうちのひとつである。現在は宅地となっており,この宅地造成に伴う1次・2次の発掘調査が平成4年(1992)~5年と6年に仙台市教育委員会によって実施された。古墳時代~中世の遺構・遺物が発見されたほか,縄文土器や弥生土器も出土した。古墳時代においては数軒の竪穴住居跡からなる小さな集落であったが,奈良時代前半には計画的に造られた大集落が出現する。発見された遺構は竪穴住居跡が37軒,掘立柱建物跡が20棟であるが,遺跡全体での竪穴住居跡数は100軒以上と推定されている。遺物では銅製品の鋳造に係わる土器やフイゴの羽口,関東地方と関連のある土器などが注目される。この集落は当時の役所と関連を持った人々が住んでいたと考えられているが,その後急速に衰退し,平安時代前半には小規模な集落となって10世紀には一時断絶する。鎌倉時代になると幅2mほどの溝で区画された一辺約25mの方形の屋敷地がいくつか造られるが,室町時代には幅が4mほどの大溝で区画されるようになり,屋敷地の形態も一辺約50mの方形のものがつながった複雑なものとなっていく。区画の内部には竪穴遺構・井戸跡・土坑などがあり,土師質土器や国産の陶器類,中国産の磁器,木製の曲物(まげもの)の蓋,箸などが出土している。これらの屋敷は有力な土豪(地侍)層のものと考えられている。

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