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大年寺山横穴墓群

40基を超える横穴墓群。豊富な副葬品が出土。

だいねんじやまよこあなぼぐん

大年寺山横穴墓群

Dainenjiyama yokoanabogun

種別区分
古墳・墓
年代
古墳時代 奈良時代
面積
11,300㎡

所在地

太白区向山4丁目
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解説

大年寺山横穴墓群は,市の南部にあり,JR仙台駅の南約2kmに位置する。広瀬川右岸の青葉山丘陵東端部の丘陵斜面に立地する。横穴墓は大年寺山北側斜面の丘陵下部に位置し,軟質砂岩の大年寺層に構築されている。標高は25~35mで,面積は約11,300㎡である。大年寺山横穴墓群の周囲には,愛宕山横穴墓群,宗禅寺横穴墓群,茂ヶ崎横穴墓群,二ツ沢横穴墓群などがあり,向山横穴墓群と総称される。これまで昭和62年(1987),平成元年(1989)に宮城県教育委員会,平成18年に仙台市教育委員会によって調査が行われ,計43基の横穴墓が調査された。調査により様々な規模や形態の横穴墓が,7世紀初頭から8世紀前半までの間に営まれていたことが明らかとなった。調査で発見された遺物には,大刀や馬具などの鉄製品,鈴釧(すずくしろ)や耳環,銅碗などの銅製品,各種の須恵器などがあり,豊富な副葬品があることが分かった。横穴墓の中には,規模が大きく,玄室内全面に赤彩が施される装飾横穴墓や,副葬品に金銅装圭頭大刀(けいとうのたち)を含む複数の大刀や馬具を持つものもあり,これらは地位の高い有力者の墓と想定されている。また,横穴墓のひとつには,玄室の天井部に金具が打ち込まれたものがあり,玄室内に布などを吊り下げる用途が考えられる貴重な例として注目される。大年寺山横穴墓群を含めた向山横穴墓群は,南東約2.5kmにある郡山遺跡との関連が想定されており,多賀城創建以前の地方支配の拠点を支えた人々を中心とする墓域と考えられている。

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